そのかぼちゃ君は姿を見せたと思ったらすぐに逃げてしまった。

「えっ、ちょっ」

私は急いでかぼちゃ君を追いかける。
図書室のドアを出て、左右を見ると、右の体育館の方にかぼちゃ君が走っていた。
それを見つけた私は、全力疾走で追いかける。

体育館への角を曲がったのを確認し、体育館へ入るとそこには男バスの人たちが練習しているところで。


「あ、あれ……?」

戸惑う私に、男バスの人たちは首を傾げている。

「あ、えっと、失礼しました!! すみません!!」

そう一礼して、体育館から図書室へと向かう。

おっかしいな……確かにあそこを曲がって体育館に入ったと思ったのに……。


悶々と考えていると、私の目には思わぬものが。
さっきと全く同じ格好をしたかぼちゃ君が図書室へと入ったところである。


え、え、しゅ、瞬間……移動……?