「なっ、なっ、なっ」
「顔赤くしちゃって〜図星かにゃ〜?」
「そ、そ、そ、」
「そ?」
私はキッと良子を睨みつけて、大きく息を吸い込んだ。
「そんなわけないでしょ!! 良子のばっかやろう!!!!
そう叫んで、私はその場から逃げるように駆け出した。
後ろからケラケラ笑う良子の声がきこえながらも、私は無我夢中に走っていると、途中誰かとぶつかってしまい、尻餅をついてしまう。
「いたた……」
「なーにしてんだよ」
この声は……。
私は恐る恐る顔をあげると、今一番会いたくない人が目の前に立っていた。
「あ、天野先輩……」
ああ、なんてタイミングが悪いんだろう。

