翌日、私は教室前の廊下の窓から校庭を見ている。
まだ8時前の校庭には、サッカー部と野球部が朝練をしている。
私の視線の先は、天野飛鳥先輩。

天野先輩はあの可愛らしい顔からは想像できないくらい、真剣で真っすぐな瞳で練習をしていて。

そんな天野先輩をみながら、私は昨日の放課後先輩が言った言葉を思いだす。



『……ふーん。なかなか鋭いな』



先輩がかぼちゃ君、なのかな……。

そんで、去年私の手をとってくれた人なの……?


先輩の右首筋にあった3つ並んだほくろが頭に浮かぶ。


やっぱり先輩、なのかな……。

でも、なんだろうこの違和感。
先輩なのかなって思える理由もちゃんとあるのに、なんか違う気がするというか、心の中で何かが引っかかる。