「あなたも、良子ちゃんと同じ、かぼちゃ君のことをききにきたの?」
「えっと、はい……」
「ふふっ、かぼちゃ君のことを知ってどうするの? ほんとにしょうもないわよ?」
「それでも、知りたいんです」
「……そっか」
八坂先輩は私の隣に腰を下ろして、「んーとね」とゆっくり話してくれた。
「私は恋に悩んでたの」
「えっ」
「どうしても伝えたくても伝えられなくて、でも気持ちも消せなかった。それであんまり人がいない時間帯の放課後図書室でぼーっとしてたら、かぼちゃ君に会ったの」
「噂だと、その後告白は解決したんですよね……?」
「それは……デマ。告白はしたけど、上手くはいかなかった」
「えっ?!」
「でも、伝えることができてとても嬉しかったの。友達にきかれた時も、その嬉しさが表情にでてたから、成功したって思われちゃったのかもね」