かぼちゃの君





「えと、日誌。瓜先に」

「そっか。あ、そういえば、最近かぼちゃ君探ししてるってほんと?」

「まあちょっとだけね。どうして?」

「……ふふっ、ひ、み、つ」

実妃ちゃんはそう悪戯っぽく笑って行ってしまった。
そんな実妃ちゃんにハテナマークを浮かべながら、私は職員室に入る。

「瓜谷先生ーはい日誌」

「はい、ご苦労さん。あんまり遅くならないうちに帰れよー」

「はーい」

そう軽く返事をして職員室を出ようとした時。

「ちゃんと早く帰るんだぞー」

瓜先にしてはめずらしく念を押してきて。
私は首を傾げながら、ふと壁に貼ってある鍵当番のところをみた。

あ、今日と明日図書室の鍵当番瓜先なんだ……。
二階連続なんて、なんで……??

少し不思議に思いながらも、「失礼しました」と一言言って職員室を出た。