「お前それ……」


僕の言葉に、貴明は「ん?」と含み笑いの顔をこっちに向けた。
含み笑い。
僕はピンと来た。


「それは、テレビで言っていたんだな?」


「当たりー!やっぱ真すげえな!嘘見破れるんだな!テレビだってことまで分かるんだな!!お前将来FBIなれるぞ!FBI!」


貴明は本を読まないから、テレビしかないだろうと思っただけだ。
はあ、とため息を洩らす僕の背中をぽんぽんと叩きながら貴明は言った。


「真、考えすぎは体に毒だぜ。俺なんて1ヶ月に1回しか考えないからすげえ毎日が楽しい!」


そうだね、と僕は小さく同意した。