扉が開くと、広すぎるエントランスと、螺旋階段前まで敷かれている赤い絨毯にいつも驚かされる。
何回も来ているというのに。
お、意外に早かったな、という声がした。
声の主は麗眞くんだ。
愛しの彼女さんとイチャつけないのが不満なのか、少し不機嫌そうだ。
男子3人で、エントランスを入って右にあるソファに座って私たちを待っていたようだ。
向かいには相変わらず高級そうなスーツをビシッと着こなした2人が立っている。
さながら高級ホテルのフロントだ。
「美冬!」
美冬の姿を目ざとく見つけて、彼女に駆け寄るのは小野寺くんだ。
「良かった、無事に帰ってきて。
楽しめたみたいだね」
嬉しそうな美冬の頭を軽く撫でてやると、リップ音を立てて軽く彼女の唇にキスをした彼。
小野寺くんも、美冬には過保護だ。
私は、秋山くんに深月の居場所を聞く。
「深月なら、椎菜ちゃんと一緒の部屋にいる。
様子見てるって」
私がそう聞いたのは、椎菜の様子を見たいからだと悟ったのだろう。
秋山くんは近くにいた麗眞くんの執事、相沢さんに声をかけていた。
彼は私を椎菜の部屋まで案内するように頼んでくれたようだ。
「あと20分ほどでアフタヌーンティーのお時間でございます。
時間まで、お部屋にいてくだされば、私がお迎えに上がりますので」
「ありがとうございます、相沢さん」
「深月?いる?
理名だけど。
入っていいかな」
「椎菜がいい、って。
どうぞー」
深月の落ち着いた声が聞こえた。
ノブを回すとスッと開いた扉の奥に、時たま顔をしかめながらベッドに横たわる椎菜ちゃんがいた。
その様子を傍らの椅子に座って、心配そうに見つめるのは深月だ。
「ここまで酷いなんてね。
私は朝も言ったように目眩と立ち眩みがあるのが兆候で、それが見られれば割とすぐ始まるのよね。
始まっちゃえば少しは楽になるの。
まぁ、初日から数日は貧血でクラッ、ってくることはあるんだけど。
椎菜の場合、悪阻みたいな感じで先が思いやられるわ。
私がよく飲んでる痛み止め分けてあげたら効いたみたい。
吐き気はそこまででもなくなったそうよ。
たまに片頭痛はするみたいなんだけど」
「あ、理名?
おかえり。
その服、私のお母さんが譲ってくれたやつ。
ガウンとパンツと、サンダル。
お母さん喜ぶな。
後で写真撮らせて?」
私の方に目を向けると、私の服装にすぐ気づいたらしい。
だが、その声は弱々しくて、いつもの明るさと溌剌さ、透き通るような透明さはない。
「椎菜、無理しないでいいからね?
1番心配してるの、多分麗眞くんだし」
私はそう言いながら、鞄に入っている手帳のメモページに病院の名前と電話番号を書いた。
「はい。
椎菜、今回のが無事に異常なく終わったら、ここ行って相談するといい。
先生いい人だし」
私の母の後輩がいる、産婦人科だ。
母のから昔聞いた話だと、その人自身、大学病院の医局に入るか迷っていたようだ。
その矢先、優秀な人がいたら私の身内が開業する病院にスタッフとして来てもらいたい、という話が来た。
先輩から飲み会で聞いて快諾したそうだ。
大学病院側は優秀な女性産婦人科医のアテがなくなって意気消沈したらしいが。
丁寧さと穏やかさ、患者にとって不利なこともオブラートに包まず、ハッキリという診療スタイルが好評らしい。
だからきっと、未成年の椎菜にも、優しく接して、有意義なアドバイスをくれるはずだ。
「ありがと、理名。
やっぱり持つべきものは友達だね」
元気なときの笑顔には及ばないが、微笑んでくれた椎菜。
その笑顔は麗眞くんに向けられるべきだろう。
「ここ、って」
深月は、私のメモ書きを見てしまったらしい。
彼女は強姦された際に、しばらく産婦人科に通院していたことがある。
嫌な記憶が蘇ってきたのだろう。
「めっちゃいいとこだよ!
理名の言うとおり、先生めっちゃいい人だし、看護師さんも優しいし!
私なんて、不安がってたら先生が話してくれたの。
『大丈夫、貴女は何気に病むことはないのよ。
時間はかかるけど、いいお友達もいるみたいだし、ゆっくり心の傷を癒やしていけばいい』
って。
その言葉に救われたから」
「そっかぁ。
深月がそう言うなら、行ってみようかな」
深月からの言葉は意外だった。
さすが、あの母を持つだけあって、メンタルが強い。
そんな会話をしていると、コンコンとドアがノックされた。
「理名様。
深月様に椎菜様。
そろそろアフタヌーンティーのお時間です。
お迎えにあがりました。
皆さま、もうお揃いですので」
相沢さんは、ゆっくり私たちの前を歩いて、エレベーターを停めてくれている。
椎菜は相沢さんと二言三言話して、相沢さんに良かったですと言われていた。
深月は、朝よりはマシだが、まだがに股歩きになっている。
「しばらく辛抱だね。
でも、幸せの証、ってやつだよ」
椎菜が言う。
いつもの女子陣の中では一番早くロストバージンを経験したのだ。
さすが、経験者の言葉は含蓄がある。
エレベーターを降りて、エントランスを出て、いつもの洋館じゃない方に歩いて行く。
草木が豊かな、広い庭があった。
その一角に設けられたテーブルで、所狭しと並べられたお菓子を囲んで何やら盛り上がっている集団がいた。
手を振っているのは麗眞くんだ。
「椎菜?
お前、大丈夫なのかよ」
私や深月がいるというのに、私たちには目もくれず、ぎゅっと椎菜を抱きしめる麗眞。
所構わずイチャつくな、リア充め!
「麗眞?
あの、今は大丈夫だから。
皆のとこ戻ろ?」
「ったく、可愛い椎菜に言われちゃ、仕方ないな」
椎菜の腕を引いて、皆の場所に戻る麗眞くんについていくのは、私たちと深月だ。
「んで?理名。
結局、拓実くんに何買ったわけ?」
深月からの質問には、美冬が答える。
「なにそれ!
さりげなくお揃いとか、やるねー!
喜ぶと思うよ?
拓実くん」
「にしても理名、そういう格好似合うね!」
「これ、私のお母さんが撮影で着たんだけど、母は私みたいなのが好きだから、私にはもったいない。
でも、理名ちゃんなら似合う!
そう思って買い取ったんだって。
私が理名に渡したんだよ」
「さすがモデルさん。
見る目はあるね、やっぱり」
「んで。
美冬と華恋もやるじゃん!
琥珀ちゃん、前よりかなり女らしさ上がってるね!
もうこれで行きなよー!」
華恋と美冬プロデュースの琥珀は、男子メンツにも概ね好評だった。
「ここじゃあれだから、部屋で見せるね、買った服!
琥珀ちゃんにとっては冒険みたいで戸惑ってたけど、なんだかんだ試着は楽しそうだったし」
「楽しみー!」
「私も深月も、アドバイスするよー!
琥珀ちゃんには幸せになってほしいもん」
椎菜が笑顔で言う。
笑顔を見せる頻度が先程より多くなった。
体調は少し良くなったようだ。
時たま、麗眞くんが心配そうにこちらに視線をやる。
どんだけ椎菜ちゃんが心配なんだろう。
甘いお菓子やクッキー、フィナンシェやガレット。
アフタヌーンティーの為に用意されたお菓子は、あっという間になくなっていった。
深月や美冬、華恋が主に消費している。
椎菜も普段はその輪に加わっているのだが、生理前に甘いものを食べすぎると、いざ生理が来たときの症状がひどくなるという。
そのため、控えているようだ。
私と琥珀ちゃんの輪に入って、甘くないお菓子を頬張っている。
カフェインも良くないというので、普段はミルクティー派の彼女にしては珍しく、ハーブティーばかりを飲んでいる。
麗眞くんがふいに男子の集団から離れて、相沢さんに何やら話しかけている。
深月と華恋が代わりに男子の輪に入っている。楽しそうに笑い合っている。
何やら私の方を見て話しているようだ。
小野寺くんと美冬の姿が見えないが、きっと皆にバレないところでイチャついてるのだろう。
「皆様方。
そろそろ日が落ちて参りました。
そろそろアフタヌーンではなく、イブニングになりつつあります。
明日は1日だけとはいえ平日です。
学校がお有りでしょう。
そろそろ明日の準備をしてはいかがでしょう」
相沢さんの言葉に、一同うなだれる。
「量は控えめの夕食にいたします。
その前に、男女それぞれご入浴されるもよし、お部屋でご歓談もよし、自由な時間をお過ごしくださいませ」
相沢さんの言葉に、うなだれた一同の顔にパッと笑顔の華が咲いた。
「女子は椎菜のいる部屋に集合ねー!
理名も琥珀ちゃんも、荷物持ってね」
そう、声を発したのは深月か美冬か。
行くことは決定事項らしい。
男子グループは相沢さんの案内で浴場に行くようだ。
深月の案内で椎菜の部屋に向かう。
まだまだ本調子ではなく、時々顔をしかめる椎菜を部屋のベッドに座らせる。
皆は部屋にあるふかふかの座椅子やチェア、ソファーに腰を下ろす。
「えー、皆さんちゅうもーく!
これから、今日私と華恋が琥珀ちゃんのためにアドバイスした洋服を見せます!
それにつきまして、深月と椎菜の意見も頂戴出来ればと思っています!」
先陣を切って、美冬が言う。
琥珀ちゃんは下着以外のものを紙袋から出していった。
あの場にいなかった深月と椎菜は、どんな反応をするだろう。
静寂が辺りを包んだ。
何回も来ているというのに。
お、意外に早かったな、という声がした。
声の主は麗眞くんだ。
愛しの彼女さんとイチャつけないのが不満なのか、少し不機嫌そうだ。
男子3人で、エントランスを入って右にあるソファに座って私たちを待っていたようだ。
向かいには相変わらず高級そうなスーツをビシッと着こなした2人が立っている。
さながら高級ホテルのフロントだ。
「美冬!」
美冬の姿を目ざとく見つけて、彼女に駆け寄るのは小野寺くんだ。
「良かった、無事に帰ってきて。
楽しめたみたいだね」
嬉しそうな美冬の頭を軽く撫でてやると、リップ音を立てて軽く彼女の唇にキスをした彼。
小野寺くんも、美冬には過保護だ。
私は、秋山くんに深月の居場所を聞く。
「深月なら、椎菜ちゃんと一緒の部屋にいる。
様子見てるって」
私がそう聞いたのは、椎菜の様子を見たいからだと悟ったのだろう。
秋山くんは近くにいた麗眞くんの執事、相沢さんに声をかけていた。
彼は私を椎菜の部屋まで案内するように頼んでくれたようだ。
「あと20分ほどでアフタヌーンティーのお時間でございます。
時間まで、お部屋にいてくだされば、私がお迎えに上がりますので」
「ありがとうございます、相沢さん」
「深月?いる?
理名だけど。
入っていいかな」
「椎菜がいい、って。
どうぞー」
深月の落ち着いた声が聞こえた。
ノブを回すとスッと開いた扉の奥に、時たま顔をしかめながらベッドに横たわる椎菜ちゃんがいた。
その様子を傍らの椅子に座って、心配そうに見つめるのは深月だ。
「ここまで酷いなんてね。
私は朝も言ったように目眩と立ち眩みがあるのが兆候で、それが見られれば割とすぐ始まるのよね。
始まっちゃえば少しは楽になるの。
まぁ、初日から数日は貧血でクラッ、ってくることはあるんだけど。
椎菜の場合、悪阻みたいな感じで先が思いやられるわ。
私がよく飲んでる痛み止め分けてあげたら効いたみたい。
吐き気はそこまででもなくなったそうよ。
たまに片頭痛はするみたいなんだけど」
「あ、理名?
おかえり。
その服、私のお母さんが譲ってくれたやつ。
ガウンとパンツと、サンダル。
お母さん喜ぶな。
後で写真撮らせて?」
私の方に目を向けると、私の服装にすぐ気づいたらしい。
だが、その声は弱々しくて、いつもの明るさと溌剌さ、透き通るような透明さはない。
「椎菜、無理しないでいいからね?
1番心配してるの、多分麗眞くんだし」
私はそう言いながら、鞄に入っている手帳のメモページに病院の名前と電話番号を書いた。
「はい。
椎菜、今回のが無事に異常なく終わったら、ここ行って相談するといい。
先生いい人だし」
私の母の後輩がいる、産婦人科だ。
母のから昔聞いた話だと、その人自身、大学病院の医局に入るか迷っていたようだ。
その矢先、優秀な人がいたら私の身内が開業する病院にスタッフとして来てもらいたい、という話が来た。
先輩から飲み会で聞いて快諾したそうだ。
大学病院側は優秀な女性産婦人科医のアテがなくなって意気消沈したらしいが。
丁寧さと穏やかさ、患者にとって不利なこともオブラートに包まず、ハッキリという診療スタイルが好評らしい。
だからきっと、未成年の椎菜にも、優しく接して、有意義なアドバイスをくれるはずだ。
「ありがと、理名。
やっぱり持つべきものは友達だね」
元気なときの笑顔には及ばないが、微笑んでくれた椎菜。
その笑顔は麗眞くんに向けられるべきだろう。
「ここ、って」
深月は、私のメモ書きを見てしまったらしい。
彼女は強姦された際に、しばらく産婦人科に通院していたことがある。
嫌な記憶が蘇ってきたのだろう。
「めっちゃいいとこだよ!
理名の言うとおり、先生めっちゃいい人だし、看護師さんも優しいし!
私なんて、不安がってたら先生が話してくれたの。
『大丈夫、貴女は何気に病むことはないのよ。
時間はかかるけど、いいお友達もいるみたいだし、ゆっくり心の傷を癒やしていけばいい』
って。
その言葉に救われたから」
「そっかぁ。
深月がそう言うなら、行ってみようかな」
深月からの言葉は意外だった。
さすが、あの母を持つだけあって、メンタルが強い。
そんな会話をしていると、コンコンとドアがノックされた。
「理名様。
深月様に椎菜様。
そろそろアフタヌーンティーのお時間です。
お迎えにあがりました。
皆さま、もうお揃いですので」
相沢さんは、ゆっくり私たちの前を歩いて、エレベーターを停めてくれている。
椎菜は相沢さんと二言三言話して、相沢さんに良かったですと言われていた。
深月は、朝よりはマシだが、まだがに股歩きになっている。
「しばらく辛抱だね。
でも、幸せの証、ってやつだよ」
椎菜が言う。
いつもの女子陣の中では一番早くロストバージンを経験したのだ。
さすが、経験者の言葉は含蓄がある。
エレベーターを降りて、エントランスを出て、いつもの洋館じゃない方に歩いて行く。
草木が豊かな、広い庭があった。
その一角に設けられたテーブルで、所狭しと並べられたお菓子を囲んで何やら盛り上がっている集団がいた。
手を振っているのは麗眞くんだ。
「椎菜?
お前、大丈夫なのかよ」
私や深月がいるというのに、私たちには目もくれず、ぎゅっと椎菜を抱きしめる麗眞。
所構わずイチャつくな、リア充め!
「麗眞?
あの、今は大丈夫だから。
皆のとこ戻ろ?」
「ったく、可愛い椎菜に言われちゃ、仕方ないな」
椎菜の腕を引いて、皆の場所に戻る麗眞くんについていくのは、私たちと深月だ。
「んで?理名。
結局、拓実くんに何買ったわけ?」
深月からの質問には、美冬が答える。
「なにそれ!
さりげなくお揃いとか、やるねー!
喜ぶと思うよ?
拓実くん」
「にしても理名、そういう格好似合うね!」
「これ、私のお母さんが撮影で着たんだけど、母は私みたいなのが好きだから、私にはもったいない。
でも、理名ちゃんなら似合う!
そう思って買い取ったんだって。
私が理名に渡したんだよ」
「さすがモデルさん。
見る目はあるね、やっぱり」
「んで。
美冬と華恋もやるじゃん!
琥珀ちゃん、前よりかなり女らしさ上がってるね!
もうこれで行きなよー!」
華恋と美冬プロデュースの琥珀は、男子メンツにも概ね好評だった。
「ここじゃあれだから、部屋で見せるね、買った服!
琥珀ちゃんにとっては冒険みたいで戸惑ってたけど、なんだかんだ試着は楽しそうだったし」
「楽しみー!」
「私も深月も、アドバイスするよー!
琥珀ちゃんには幸せになってほしいもん」
椎菜が笑顔で言う。
笑顔を見せる頻度が先程より多くなった。
体調は少し良くなったようだ。
時たま、麗眞くんが心配そうにこちらに視線をやる。
どんだけ椎菜ちゃんが心配なんだろう。
甘いお菓子やクッキー、フィナンシェやガレット。
アフタヌーンティーの為に用意されたお菓子は、あっという間になくなっていった。
深月や美冬、華恋が主に消費している。
椎菜も普段はその輪に加わっているのだが、生理前に甘いものを食べすぎると、いざ生理が来たときの症状がひどくなるという。
そのため、控えているようだ。
私と琥珀ちゃんの輪に入って、甘くないお菓子を頬張っている。
カフェインも良くないというので、普段はミルクティー派の彼女にしては珍しく、ハーブティーばかりを飲んでいる。
麗眞くんがふいに男子の集団から離れて、相沢さんに何やら話しかけている。
深月と華恋が代わりに男子の輪に入っている。楽しそうに笑い合っている。
何やら私の方を見て話しているようだ。
小野寺くんと美冬の姿が見えないが、きっと皆にバレないところでイチャついてるのだろう。
「皆様方。
そろそろ日が落ちて参りました。
そろそろアフタヌーンではなく、イブニングになりつつあります。
明日は1日だけとはいえ平日です。
学校がお有りでしょう。
そろそろ明日の準備をしてはいかがでしょう」
相沢さんの言葉に、一同うなだれる。
「量は控えめの夕食にいたします。
その前に、男女それぞれご入浴されるもよし、お部屋でご歓談もよし、自由な時間をお過ごしくださいませ」
相沢さんの言葉に、うなだれた一同の顔にパッと笑顔の華が咲いた。
「女子は椎菜のいる部屋に集合ねー!
理名も琥珀ちゃんも、荷物持ってね」
そう、声を発したのは深月か美冬か。
行くことは決定事項らしい。
男子グループは相沢さんの案内で浴場に行くようだ。
深月の案内で椎菜の部屋に向かう。
まだまだ本調子ではなく、時々顔をしかめる椎菜を部屋のベッドに座らせる。
皆は部屋にあるふかふかの座椅子やチェア、ソファーに腰を下ろす。
「えー、皆さんちゅうもーく!
これから、今日私と華恋が琥珀ちゃんのためにアドバイスした洋服を見せます!
それにつきまして、深月と椎菜の意見も頂戴出来ればと思っています!」
先陣を切って、美冬が言う。
琥珀ちゃんは下着以外のものを紙袋から出していった。
あの場にいなかった深月と椎菜は、どんな反応をするだろう。
静寂が辺りを包んだ。



