雨。

顔を

髪を

冷たく濡らしていく

「これが……雨」

…不思議な位に

今の私に手をさしのばしているようだ

何か落ち着く……

そしてこのどうしようもない冷たい気持ち

……でも

わからない

この気持ちをはきだす術が

私には

備わってない

「不良品…」

一部分が欠けている

どうしようもない

ガラクタなのだろう




どれくらいそうしていたのか。

不意に私に落ちるはずの水滴が落ちてこない

何か影がみえる

「……風邪、ひくよ?」

どこか幼さを感じさせる声

それが私の頭上で聴こえた

声のするほうへ顔をやると

切れ長の真っ直ぐな黒い眼

ふわふわした茶色い髪の

【人間】



私の前に立っていた