部活中、奏汰と一ノ瀬先輩はやはり、喋らなかった。


奏汰は、一ノ瀬先輩の方をチラチラ見ていたけど、一ノ瀬先輩は見向きもしない。



「奏汰...」


「やっぱダメかも、莉愛。」


奏汰は悲しそうな目をして私に言う。


「まだ、希望はあるよっ!奏汰。頑張れ。」


「おう!あ、今日一緒に帰らないか?」


「え、いいの?」


こくっと奏汰は頷く。


「じゃ、帰ろっ」


「部活終わったらな」


「あ、そか(笑)」


初めて言われた言葉。


嬉し過ぎて泣きそう。