「なぁ、佐野。」


「なに?」


少し顔をあげて、間宮くんを見る。

すると、ふっと視界が暗くなる。
そして一瞬だけ、唇に柔らかい感触があった。


「好きだよ、梨依。」


間宮くんはおでこをコツンと合わせ、私に言った。
呼び捨てで呼ばれ、ドキッとする。


「私も…好き。」