部屋に入ったとたん、先生はいつもの口調に戻る。 「俺、あんな人たちにはなりたくないな。 誰かに使われるとか、嫌。」 「先生はなりませんよ。 そもそも、なれませんよ。そんな考えでは。」 「別になれなくていい。 さっ、勉強するぞ。 とりあえず、復習から。」 「はい。」 先生に言われた通りノートを開き、先生が書いた問題を解いていく。 部屋には沈黙が流れ、シャーペンで書く音だけが響く。