「まぁ、信じるけど。 てか、それがほんとだ、って信じたいし。」 「うん。」 「んじゃ、戻るか。 まだ残ってんだろ?仕事。」 「うん、いっぱい残ってる。」 「ん。」 淘汰は私の手をぎゅっと握りしめて、 さっき来た道を戻っていく。 淘汰の横顔は、高校の時と違って、大人びている。 でも、この暖かい手は変わらない。 ずーっと、これからも変わらないだろう。 握ってて欲しい、ずっと。