「ねぇ、退いてくれない?」


私を後ろから抱き締める形で、淘汰が座っている。


「無理。」


「書きづらいんだけど。」


「でも、書けるんだったらいいだろ。」


「まぁ、そうなんだけど……。
でも、やっぱり退いて?」


「そんなに俺のこと嫌い?」


「嫌いなんて言ってないじゃん。
むしろ、好きだもん。淘汰のこと。」


「うん、知ってる。」