「お母様の“より良い相手”というのは、柏木様のことですか?」 「ええ、そうよ。」 「私は、そうは思いません。 確かに、とても良い方だとは思います。」 「そうでしょう。」 「こんなことを柏木様に申し上げるのは、失礼と存じますが、 私は、優真さんや淘汰の方が、 何十倍も何百倍も、“より良い相手”だと思っております。」 「何を言っているのっ?!」 「私は、柏木様のような方ではなく、 淘汰や優真さんのように、人の気持ちも考えられる、 そんな方と婚約したいと思っております。」