車に乗せられ、家へと帰る。


「あなた、もっとしっかりしてちょうだい。

あなたはたった一人の後継者よ。
恋なんて、うつつを抜かしている暇はないわ。

柏木様は唯一、
私の会社にお金を貸してくれると、申し出てくれたの。
このまま放っておいたら、私の会社はつぶれるのよ。

なんで、私を困らせるようなことをするのっ!!
素直に婚約を受け入れたらよかったでしょう。」


「……申し訳ございません、お母様。」


そういったものの、心の中は怒りでいっぱいだった。