「そろそろ帰るか。」 数分して、りゅうがそう言い出した。 「うん。」 「どう? 少しは気、紛れた?」 「うん。ありがとう。」 「あいつのこと、心配しなくていいと思うよ? あいつ、梨依にベタ惚れだから。」 「…うん。」 「顔あげろって。 ほら、そんな顔すんな。」 りゅうはニッと笑って、私の背中をポンッと叩く。