「んじゃ、俺、そろそろ行かないといけねぇから。」


「…うん。」


私は、淘汰に笑顔を向けた。
寂しくて、泣きたくてたまらないけど、笑顔で送り出すって決めたから。


「ありがとな、梨依。」


それに気づいたのか、淘汰もふわっと微笑んでくれた。
私の大好きな笑顔。また会える日まで……。

急に淘汰は、私を抱き寄せた。
ぎゅっと力強く抱き締め、そして、そっとキスをする。