優真さんは私を、いろんなところに連れていってくれた。 私も、精いっぱい楽しんだ。 だけど、少し気を抜くと、淘汰のことを思い出してしまう。 「梨依。」 「何?」 「行きたいんなら、行っていいからな?」 「えっ?」 「梨依はあいつといた方が、幸せそうだから。 俺はいつでも、梨依の幸せを願ってる。」 「……ありがとう。 でも、叶わないから。 ……だから、優真さんにそばにいてほしいの。」