連れて来られた場所は、屋上だった。
「何の用かな?」
「あっ、あのさ……えっと……」
緊張しているのか、言葉が詰まっている。
私こんな所で時間無駄にしたくないんだよなー。
「俺さ、渡邊悠太ってんだけど好きなんだ。清水さんの事」
悠太と同じ名前だ。
「ありがとう、ごめんね。私誰とも付き合うつもりたないの」
「お、俺諦められないんだ!どうしても駄目か?!」
「ごめん、無理なの」
そう言って私は屋上を足早に出た。
私、端から見れば相当冷たいやつだよね。
でも私には悠太が居るから
本当に誰とも付き合う気はない。