……妊娠してるわよ」
えっ、今何て言った?
妊娠、してるわよ?
ニンシンシテルワヨ…。
もしかしてと思い産婦人科に来てみたら
当たってしまっていた。
「あの、中絶出来ますか?!」
女医は少し悲しそうな顔をした後に答えた。
「もう遅いわ……」
うそ、でしょ
「そんな……」
「もう貴方は産むしかないわ」
私はただ黙る事しか出来なかった。
この子も要らない子、私も要らない子……。
「何がどうあれ授かった尊い命なのよ」
「尊い、いのち……」
「えぇ、そうよ。貴方がその子を見捨てたらどうなる?」
この世に居なかった存在になる……。
「……私産みます」
後から調べてわかったが、
中絶は5ヶ月から6ヶ月まで出来たらしい。
まぁ、そんな事私には関係ねぇからどうでもいいと思っている。
寧ろあの女医に感謝している。
中絶せずに、あんなに可愛い餓鬼が産めた事に。
私、相当な親バカだな…。
私は、自分が親に愛されなかった分
自分の子供を愛そうと悠太を
産んだ時に誓っていた。

