迷いながらも、戸惑いながらも、拓真は言った。



「俺、もう一度 野球できるかもしんねーんだって…」


「え…?」



拓真が何を言ってるのか分からなかった。

嘘でしょ?そんなわけないじゃん。

だって、言ったじゃん。




あの時。




“もう、野球はできないんだ”って…
 




どういうこと?



覚えている。今でも鮮明に。



あの日、君はグローブも、バットも、野球に関わる全てのものを捨てた。


もちろん、野球への情熱も。


すごく野球を愛していたけれど。




2年前のあの出来事からあなたは野球を捨てた。