そんなことを考えてる間に学校についたみたいで。
「ついたぞ~おりろ~」
「いっつもありがとねー!」
「いいって!それよりさー美優、お前ちょっと太った?」
ニヤニヤしながらそんなこと聞いてくる。
そんな顔もカッコいいと思うけど。
「はぁ?朝っぱらから何!?」
『カッコいい』なんて
意地でも言ってやんない。
「あはは!そんな怒んなよ!冗談。大丈夫、痩せすぎってぐらい軽かったよ」
最高級の笑顔で言ってくれてるけど絶対に素直になんかなってやんない。
「当たり前でしょ?そのためにいろいろ頑張ってんだから。」
「そんな怒んなよー」
あたしが素直になるのは拓真があたしの気持ちに気づいたときだから。
でも、きっと、そんな日は来ない。
…拓真には何よりも大事な恋人がいるから。
…私なんかじゃ到底勝ち目のない拓真の人生全てをかけた恋人がいるから。

