そこには見慣れたアイツがいた。



「おせーよ、美優!ほら、早く!後ろ!」



あたしの家の前でいつも待っていてくれているのは、幼なじみの『東條 拓真(Toujou Takuma)』。

あたし達は毎日拓真の自転車に乗って一緒に登校してるんだ。

幼なじみの腐れ縁ってヤツ…。



「ごめんごめん!よろしく!」


「よし、とばすぞ!つかまっとけよ!」


「うん!」



…っていうのはきっと言い訳。

…あたしは拓真が好き。

きっと世界中の誰よりも拓真が好き。


本人は気づいてないけど。



告白するつもりもない。