「はい!終わり、もういいよ」


「ありがとう」


一言お礼を言って、さっきまで心と作っていた看板作りに再び取り掛かった。


「心、あたしが嫌って言うのわかっててホールにしたでしょ」


「えへへ、バレた?」


「最初からわかってたよ。あたしを推薦する人なんて心しかいないじゃん」


「え〜、そうでもないよ。皆もすぐに賛成してたしね。憎むならあたしじゃなくて柚鈴のその美貌を憎め!」


いや、意味わかんないし。


あたし他人に厳しくて自分に甘いがモットーだから自分を憎めないもの。


反対にこの顔に感謝してるぐらいだからね。


「…てことで心あんたを恨むからね」


「え!?何、理解出来ないんだけど?てことでって何?恨むって!?」


「だってまだ心もホールなんだったらまだしも、心キッチンでしょ?」


明らかにあたしに喧嘩売ってるとしか思えないよね?


ずるいでしょ、心はキッチンなんて。


あたしはメイド服なんてものを着て“いらっしゃいませ、ご主人様♡”なんて言わなきゃいけないんだから。