「ちょっと、こっち来て!神代さんっ」


「はいは〜い!」


自分の気持ちに気付いてから、数日が経った。


特にあれから危ない目にもあっていない。


巳波との距離も…変わらない。


「はい、ここでジッとしててね」


「うん」


クラスの女の子の言う通りにジッとする。


「…凄っ!やっぱり神代さんってスタイルいいね」


「ははは…」


そんな彼女の言葉に苦笑いをもらし、気付かれないように溜息をついた。


何であたしがこんなこと。


と思うが、もう決まってしまったことはしょうがない。


「これならメイド服もバッチリ似合うよ作りがいがある〜」


“メイド服”


もうすぐ、青華高校の文化祭が行われる。


あたし達のクラスは“メイド喫茶”なんていう、凄くありきたりな出し物に決まり、あたしはホール担当になってしまった。


しかも、それを決めたのは運悪くあたしが風邪で休んでいた日で、嫌だと言ってもクラスの人達はダメの一点張り。


それで今は採寸中ってわけ。