あたしは呆然と巳波の背中を見ることしか出来ない。
…それに、巳波って食事を作ること出来るの?
同居する上でのルールで“食事などは毎日日替わり”って言ったけど、毎日食事はあたしでお風呂掃除は巳波担当が当たり前になっていた。
正直言って、かなり不安。
いちごミルクと甘い物意外は言わないと食べない巳波に普通のお粥が作れるかどうか…。
それ以前にお粥を作るの!?
デザートとかだったらどうしよう。
流石にデザートは気分が悪くなる一方だよ。
「柚、お粥でいい…?」
「うん、お粥にして下さい。お粥がいいです!」
取り敢えず、デザートでは無かったことに一安心。
巳波の背中を見ると、スマホで一生懸命検索しながらお粥を作っているようだった。
嬉しいな。
風邪ってだけであたしをこんなに心配してくれてる。
巳波、あたしは巳波を拾って良かったと思ってるよ。
「…柚、出来た」
暫く経って、あたしの元にお粥を持ってきた巳波。
「ありがと…」
少し照れながら笑って見せれば、巳波も嬉しそうに少しだけ口角をあげた。
「巳波、最近柔らかくなってきたよね」
「?」
あたしは巳波の作ったお粥を一口食べて
「さっきも口角が上がってた」
そう言うと、巳波は目を見開いた。