「ん〜とね、“ズバリッ!あなたにはもう意中の人がいます。あなたは気付いていないだけで、近くにいるよ!目を閉じて一番最初に思い浮かべる異性は誰かな?”…だってぇ」


ニヤニヤ、ニヤニヤあたしを見ながら不気味な笑みを浮かべてみせる。


「はぁ!?何変な顔してるのよ。あたしに好きな人なんているわけないでしょ」


「いや〜、照れちゃってぇ。誰だれ?私の知ってる人?」


「だ〜か〜ら!いないってば!」


だからその目やめてよね。


居心地悪いから。


あたしに好きな人?


今までそんな人出来たこともないのに。


「またまたぁ、柚鈴にもついに春が来たかぁ」


「…それ以上言うと口縫い付けるよ?」


「……」


冷めた目で心に静かに言うと、心は冷汗を流しながら口を噤んだ。


…好き、好き、好き…ね。


そんな感情知らない。


所詮雑誌の当たらない診断テストでしょ。


「…席戻るね」


なのになんでこんなにも結果の言葉が気になるんだろう。


“目を閉じて一番最初に思い浮かべる異性は誰かな?”