スミレ色をした瞳があたしを捉える。 「甘いのが、好き」 「あたしも甘いの好きだよ。同じ甘党だ」 ただ、好きな物が一つ被っただけで、笑みが零れる。 巳波のことを初めて知りたいと思ったことに、あたしは余り気にもしなかった。 あたしは何も知らなくて、知りたいと願っても、中々踏み出せないで。 自然と巳波のことを知る度に頰を緩ませる自分自身のことなんて、気付くはずもなく。 「やっぱり、巳波って猫みたい」 そう笑って見せた。