家の前で倒れている男に餌付けしてみた結果(仮)



「はい、ちゃんと食べてね〜」


こんもり…と言っても男子には少ない量のカレーを巳波の前に置く。


「…いちごミルクは?」


こてん。


首を傾げる巳波は何でしょうか…うん。


…鼻血出してもいいですか?


と思わず言ってしまいそうになる程魅力的だ。


「あ、あぁ、いちごミルクね。あるよ」


冷蔵庫からいちごミルクの大きいパックを取り出し、数週間前から巳波専用のようになってしまった赤色のマグカップにいちごミルクを注ぐ。


「はい、いちごミルク」


巳波の前にマグカップを出すと満足そうにカレーをスプーンですくい、口に入れ始めた。


「ねぇ」


そう言えば、こののほほんとした雰囲気で忘れそうになってしまったけど、聞きたいことが沢山ある。


「……」


巳波はちらりと一回こっちを見たが、何も言わずカレーを口に運んでいく。


…これは質問していいのか。


少し悩んだが、質問するまでは何も進まないので、取り敢えず答えられそうな質問から。


「その…同級生って」


そこまで言った時、巳波はスプーンから手を離し、あたしの口を右手で塞いだ。


巳波の目を見ると彼奴らのことには触れるなと言っているようで、柄にもなく怖気付く。


…そうだ。


巳波のことなんてどうでもいいじゃん。


何をそんなに焦っているんだろう。


さっきだって、巳波はただの同級生だって言ってたし。


あ〜!!


もやもやするっ!