「いい加減にしてくれない?…無理」
これ以上あの場所には居たくない。
八神を睨みつけながら言えば八神は舌打ちをする。
「そんなに拒否するならもういい。俺達“麒麟”に逆らったこと後悔させてやるよ。いずれ泣いて縋ってお前から戻りたいと言う日が来るからな」
そんな言葉を言い放ち、八神は他の奴等に行くぞと言い、やっと俺の前から立ち去った。
ふわぁ、と欠伸を一つする。
柚の元に戻ろうとした時、ズボンのポケットの中に入れた端末が震えた。
歩きながら端末のロックを外し、メールのアイコンをタップする。
そして、先程きた一通のメールを開いた。
件名には夏目君だよ〜の文字。
《いやいやさっきは大変だったじゃねぇの、危うく夏目君吹き出しそうになっちゃたよ〜》
さっきの険悪なムードから一転、明るいメール。
嗚呼、夏はこんな奴だったな。
このメールに返信するか迷ったが
ただ
《彼奴らの管理くらいしとけ》
とだけ送っておいた。
〈side END〉

