「最低だね、僕達の先代が八尋を拾ってあげたんだよ?少しは恩返しくらいしろよ」
…は?
最低なのはどっちだよ。
しかも、俺は先代には恩があっても、こいつ等には恩なんてものはない。
逆に迷惑しているぐらいだ。
「恩は直接あの人達に返す」
あの人達だって、引退する時に
“これから、仲間達を引っ張っていくのもいい、抜けるのもいい。…恩なんて感じなくていいから八尋は自由に自分の道を進め”
そんなちょっとカッコつけすぎな言葉をあの人達は俺に言って、あの場所を去った。
なのに、後輩達は先代の様には立派になっていないらしい。
傲慢で我儘。
正統派なんて一応は名乗ってはいるけど、先代が引退してこいつ等に受け継がされてからは内分裂を起こしていたようだった。
喧嘩の強さなんてどのくらいか分からないが、きっと腑抜けている。
自信満々で、自分等が負けること無いとでも思っているんだろうか。
はぁ…
溜息が溢れる。
先代が見たらがっかりするだろうな。

