家の前で倒れている男に餌付けしてみた結果(仮)



何だろ…病気かな?


あたしは胸の痛みを不思議に思う。


しかし、胸の痛みはその一回きりで無くなった。


「…カレー食べちゃお」


もう既に湯気が出ていないカレーをスプーンで一口食べる。


「冷たいな…」


予想していた通り、カレーはもう冷めていて、あまり美味しくない。


自分1人しかいない部屋がなんだか寂しく感じ、TVをつけた。


適当にチャンネルを回し、それをBGMにしてカレーを食べ進める。


TVの中のタレントは楽しそうに笑顔を見せているが、何が面白いのかさえわからない。


…まるで1人暮らしに戻ったような感覚。


いつも同じような日常を繰り返していた。


「…つまんないな〜」


ポツリとあたしが呟いた言葉はすぐに消えて行く。


これからも変わらない平凡な毎日。


平和な毎日。


きっと、誰もあたしの日常を喜劇的に悲劇的に劇的にしてくれる人なんかいない…。