「え〜と、生きてますか?」
「……」
…返事はない。
脈測るか。
男の腕を手に取り、脈を測る。
ん〜、取り敢えず生きてるみたいだけど、コレどうするか。
男の顔を覗き込んで、まじまじと男を改めて見てみる。
よく見えないけど、怪我してるね。
痛そ〜。
頭から、血を流してるし、目を凝らして男の周りをみると、道路に血の痕がついていた。
いや、君、誰から狙われてるんだよ。
マフィアか?ヤクザか?
…何て言いたい程、イタイタしい傷。
まぁ、そんなことはあり得ないだろうけど面白そうな予感。
よし、じゃあ
「家に帰りましょうか」
…あ、勿論ちゃんと病院に電話してから、あたしは家に入るつもり。
え〜と、救急車って119番だっけ?
バックの中からスマホを取り出し、救急車に連絡しようと試みる。
「_んっ…」
少し掠れたテノール声。
あたしはスマホから目線を男に移すと痛そうに顔を歪める男。
「あ、起きたんだ」
それと同時に鳴った場違いな音。
__グゥゥゥ
「…あー、お腹空いてるの?」
どうしよう、笑いそう。
…いや、絶対あたしニヤけてると思う。
あたしの言葉に声は出さずに頷く男。