家の前で倒れている男に餌付けしてみた結果(仮)



___そんな感じでお店を回っていたらスマホを見るとかれこれ2時間が経っていた。


「…そろそろ休憩しよっか」


「ん…」


巳波も死にそうな顔してるしね。


どこかに座る場所がないかとキョロキョロと探す。


外のベンチか中の飲食スペース。


あたしが選んだのは中の飲食スペースだ。


外だと寒いしまた風邪を引いてしまう。


人混みで酔っているのかフラフラしながら椅子に座る巳波を見て巳波の分の水を持ってくる。


「はい」


「ありがと」


そしてチビチビと飲んでいく巳波を見て頬が緩んだ。


これじゃまるであたしが彼氏みたい。


付き合ってもないけど、付き合ったらこんな感じなのかなぁと想像してしまう。


今更だけど、何でこんな人好きになったんだろ。


そう考えてすぐに思考を停止させる。


…考えたって結局はよくわかんないんだよね〜。


そんな明確なきっかけもなかったし。


…しかもこれは告白する前に何度も考えてみたじゃん。


また同じことを考えるのはやめだ。


とっくに答えは決まってる。


ジッと巳波を見ながら頭を働かせていたからか不思議そうな顔で「何?」と聞かれる。


「何でもないよ」


と笑って言えば不服そうな顔で軽く睨まれた。