「ふわぁ…」
心地よい振動があたしを眠りへと誘う。
そんなあたしの様子を知ってか知らずか巳波は
「寝ていい」
とだけ言った。
じゃあ、少しお言葉に甘えさせてもらおうかな…。
落ないようにさっきよりも巳波の腰に巻き付けた腕に力を入れる。
ちょっと苦しいかな?
なんて思って巳波の横顔をチラリと覗き見するように見たが、いつもと変わらない表情だからきっとさほど苦しくはないだろう。
「ん〜、じゃあ着いたらよろしく〜…」
いつもより間延びした声、眠気がピークだ。
何ももう考えらんない。
「おやすみ」
あたしは巳波の心地よい声を聞いてへにゃりと情けなく笑ってから眠りについた。