外に出ると夕日が輝いてみえて、駅前だからか人が多く少し騒がしい。
巳波はココに来るとき乗ってきたであろうバイクの前まで行くと、歩くのを止めた。
「…巳波?」
あたし、何か気に障るようなことした?
ゆっくり振り返る巳波に不安感が募る。
「何話してたの?」
真剣な面持ちで問う巳波に何も答えられない。
「別に…巳波に言うような話じゃないよ」
巳波はきっとさっきのきーさんのことを話してるんだろう。
でも、きーさんに私が巳波のことを好きってバレたなんて恥ずかしくて言えるはずがない。
「…言えないことか」
どこか寂しそうな表情をする巳波。
なんでよ、なんで…
「そんな表情しないでよ…」
巳波に掴まれている腕が痛む。
巳波の目を見るとゆらゆらと巳波の瞳が揺れているのがわかった。
「…悪い」
謝るなら理由を教えてよ。
…もっともっと、巳波の気持ちをあたしに聞かせてよ。

