〈謎人Aside〉
「上手くいったじゃねぇか」
俺の視線の先にはパソコン画面に映しだされた“お姫様、追放”という文字。
「そうだな。これで麒麟はきっと崩れる。俺達はそれをギリギリまで様子見をしておけばいいだけ…」
「やっぱり、俺のお陰っすよね〜。あの子に協力してよかったでしょ〜?おまけにあの人の実力も少しだけ計れたわけですしね」
にやにや楽しそうに口元を緩ませる俺の仲間。
「ユウシはボコボコにやられてたけどねぇ」
そう茶化してみせれば
「そんなことないっ…って言いたいっすけど今回ばかりは惨敗でしたわ〜。あの人はできるだけ敵にならないで欲しいっすね〜」
反論するかと思いきや、ユウシはあっさりと自分の負けを認めた。
そこまで圧倒的だと言うこと。
ユウシも決して雑魚なんかじゃないんだけどねぇ…
あいつの強さは計り知れねぇな。
気分よく鼻歌を歌いながら飴を味わう。
ああ、あんな喧嘩見せられたら余計ゾクゾクしちゃうよねぇ。
「おい、気持ちわりぃ。にやにやすんなよ」
「はいはーい」
口ではそんなことを行ったけど、やっぱり楽しみなのは抑えられない。
「あー、もう。ユウシちょっと表出ろよ」
「うげぇ、またっすかぁ」
ワクワクが止まらない。
彼と喧嘩をするのが楽しみで仕方がない。
「手加減はしないからねぇ」
いいから、早くぶっ壊してしまおう。
side END