「俺は…実玖を大切に思っている。それは仲間以上に、だ」
お姫様が持っていたマイクは八神に渡され、淡々と話していく。
有無を言わせないような威圧感と圧倒的オーラはこの場でも変わらない。
八神は決心したのだろうか。
一歩後ろに立っている白須と長谷部を見るが、いつものようにあの完璧な作り笑いも生意気そうにこっちに挑発も送ってこない。
唇を噛み締めて、お姫様から視線を外し、下を向いて顔を伏せているだけ。
…夏はこの場には何故かいなかった。
あいつが1番好きそうな事なのに、珍しくいない。
「それで…実玖をどうするかだが…」
八神の言葉に“下”の奴等はゴクリと緊迫した面持ちで唾を呑み込んだ。
誰一人八神から目線を逸らそうとはしない。
「…実玖は、姫から退いてもらう」
その言葉を放った瞬間に場を包む葬式のような空気。
それでも八神は揺らぐことなく“下”に目線を向け続けた。

