「それでね、その人の大切な人にあたしっ…酷いことをしようとしたのっ」
それは仮にも正統派だとうたってる麒麟には許されないこと。
お姫様の顔は涙で濡れて、化粧が崩れ、真っ黒。
時々、嗚咽混じりに伝える。
「あ、あたっあたし…ある男の人達にお願いして、その子をボコボコにしてって…言った」
分かりづらい話方だが、震える手でマイクを握り、必死に伝えようとしている。
まぁ、そんなことで許す気はさらさらないが…。
「麒麟の皆にも…迷惑かけちゃったぁ。ごめんね、あたしのせいで麒麟の名を汚しちゃったよ」
そこからはお姫様は謝るばかり。
“上”の奴等もお姫様の気が済むまでやらせているみたいだ。
…あいつらも一応はこの場所を大切に思ってるんだよな。
ただ、俺とあいつらは考え方が違っただけ。
暫くはお姫様の啜り泣く声と、“下”の奴等の動揺している声だけが響いた。

