“上”の人達は俺に気付いたのか、気まずそうにあからさまに目を逸らす。
なんだよ、あんたらから呼ばれたのに。
そんな悪態をつきたい気持ちを抑え、俺はただお姫様達が話出すのを待つ。
「…あたしね、あなたたちに謝らなくちゃいけないことがあるの…」
目を伏せながら話出すお姫様に皆注目し、ざわめき出す。
「ずっとずっとね、言わなくちゃって思ってたんだけど…この場所が、“麒麟”があまりにも居心地がよくて言えなかった」
お姫様の鼻を啜る音が聞こえて、涙で頬が濡れている。
普段はお姫様を守るようにいる“上”の奴等は目を伏せ、お姫様から一定の距離を置いたまま動かない。
「…あたしね、皆の事が大好き。それだけは本当だよ?…でも、あたしには“麒麟”の皆と同じくらい。…ううん、もしかしたらもっと好きかも知れない人がいるの」
“麒麟の皆より好きな人がいる”というお姫様の発言にざわざわと“下”が再び騒がしくなる。

