はっきりさせなきゃいけない。
あたしの気持ち、全部伝えなきゃ。
麒麟のみんなに、大河に、八尋に。
そしたら嫌われちゃうかも知れないけど、またドス黒い感情に呑み込まれてしまうかもしれないから。
いい加減、我儘はもうお仕舞い。
「あのね、大河。麒麟のみんなに、八尋に…話があるの」
逃げてたらダメなんだ。
しっかりと大河の目を見つめる。
思えばちゃんと大河と目を合わせるのも久しぶり。
“好きだ”と言われてからずっと目を合わせるのを躊躇していた。
「…あぁ」
大河は首を縦に振りるが、だが…と言葉を濁す。
わかってる。
「八尋、いいかな。話を聞いて欲しいの」
怖いけど、八尋には一番聞いて欲しい。
「…これで最後なら」
そう、八尋も承諾してくれたことにそっと胸を撫で下ろす。
よかった。
聞いてくれないと思ってたから。
「お兄ちゃんは…」
「俺は必要ないみたいだな。…色恋沙汰では俺が居てもしょうがないだろう」
ふ、と優しい表情に戻ったお兄ちゃんに感謝する。
「うん…ありがとう」
お兄ちゃんには迷惑かけちゃったな。
何にも関係ないのに。