「友里、いる?」

教室の前でまだ騒ぐ女子に声をかける

「よ、呼びますか!?」

「ごめんな?よろしく」

お前に用があるわけじゃないのに...

なんでそんなに顔赤くして喜ぶかなー


けど、俺はあくまでも良いヤツを演じてるから。


「あ、はや...じゃなくて、つかさ...」


あ、そういや朝名前で呼べって言ったんだよな。


「ぎこちなさすぎ」

俺はフッと笑って友里の手をとる。


「ありがとな!」


そして呼んでくれた女子にニコッと俺の最上級スマイルを向けておいた。





「司...って、律儀なのね」

「はぁ?俺が?」

「だってあんなに優しく微笑むなんて」

「だって俺、いいヤツだからさ?」

「まぁそれもそうね」



クスッと笑った友里をみて


「やべー」
「可愛い」


野次馬の男子共が騒いでいた。


「...お前もな」

「へ?」


「ん、いやなんでも。」




太陽の日差しが強くて


自然と俺の手を握ったまま日陰に入る友里。


少し薄暗くなってもキメ細かくて白さが際立つ

友里の顔をそっと見下ろした。



...いつこの関係に終わりを告げようか。




そんなことを考えながら。