変に...意識してる、早見くんのこと。


今まであたしが男の子のこと手のひらで転がしてたのに


早見くんはそうもいかなくて...


むしろ逆。


常にあたしばっかり緊張して、上手く...


小悪魔になれないっていうのかしら。



「はぁ」


小さくため息をつく。


「朝からなにため息ついてんだよ、俺と手つないで登校とか超ラッキーなんだぜ」

「なに言ってるのよ、このあたしと手繫ぎたい男の子なんて何万といるわよ」

「ははっ、相変わらずすげぇよなその自信」

「早見くんこそ」

「あ」

「なによ」

「あのさ、それやめろよ」


そ....れ?


ぽかんとした表情で早見くんを見上げると

バッと目をそらされた。


へ...?


なによ...いきなり。




「だーかーら、俺『司』だから」

「....あたし、早見くんがいいんだけど」

「は?い、いいから司って呼べ!じゃなきゃ公開キスするからな」

「なッ....」

「はい、じゃあまた帰り!」




早見....ちがう、

つかさ...そう、司は


悪そうに口角をあげて微笑むと

顔を真っ赤にするあたしを教室まで送って

いなくなった。


...な、なんなのよ。

いつもあたしばっかり...。