「あの、あなたは誰?」
「俺?早見司(はやみ つかさ)」
「へぇ、早見くん」
「なに?ってか、お前もだれ?」
「はい?あたしのこと知らないの?」
真面目な顔でそう聞いてきた早見くん。
あたしを知らない人がいたの?
「さっきのヤツもなんか俺らのこと有名人とか意味の分からないこと言ってたけどさ。俺、そもそもお前のこと全く知らない。昨日初めて見たし」
「嘘でしょ....あたしを知らないなんて」
「ははは、なにそんなにスゴイのお前?」
「あたしは西条友里、この学校で知らない人って言ったら多分あなたくらいじゃないかしら」
「へぇ、ずいぶんと自信あるんだな。おもしれぇ」
「ば、馬鹿にしないでよね!事実なんだから」
「ふぅん、そんなにモテるんだ?それとも頭がいいとか?」
む...かつくっ、
なんか面白がってる絶対。
けどあたしの話は事実なんだから!
「甘いわね、どっちもに決まっているじゃない」
すると彼は今までにないくらい無邪気に笑った。
思わず熱くなる身体に、さっきまでのドキドキが少しよみがえった。
「すげーなー西条さん!」
「当たり前じゃない、気づくの遅いわ」
「ってことはさ」
「なによ」

