雪と俺は外に出た。
外はすでに暗闇に包まれていて、月明かりだけが、俺らを照らしていた。
「雪?俺の背中に乗れよ」
「え、私重いよ?デブだよ?」
「何言ってんだよ、そんなの知ってるから早くしろよ」
「じゃあ、お姫様だっこがいい?」
「や、やだ!じゃあお願いします…」
雪は、俺の背中に乗った。
雪は思ってた以上に軽かった。
女の子なんだなって思った。
「なんだよ、軽いじゃん」
「うそ、いっぱい食べちゃったよ今日」
「知ってる、食べ過ぎだよ」
雪は、昔から凄く食べる。
それから、雪の声が聞こえなくなった。
「雪...寝てるの?」
「くゥくゥー」
微かに、クゥクゥと吐息だけが聞こえてきた。
俺は起こさないように、雪の家まで送って行った。
なんだよ、可愛いな。
ほんとは寝顔見たいけど…。
今日のところは我慢するか。

