晴輝side



『雪ー。やっぱり健汰、雪に気があるんだよ。だって毎日メール来るんでしょ?』



おい。何やってんだよ。オレ。



人が喋ってるところ盗み聞きとか、どうしちゃったんだよ。



健汰か…



あれ、前言ってたよな。


雪が好きって、まだ好きだったんだ。


結構 長いよな。




って 全く、俺何気にしてんだよ。



土曜日、試合来てくれるんだし、部活がんばんなきゃじゃん。




「晴輝!ボールとって!」



「おう!」



サッカーは小学校の頃からやってて唯一俺が自慢できること。



「「はるきーーっゆうとーーっ」」



あ、雪。手ふってくれてる。




やっぱり...可愛いな。



いつからだろう。俺がこんなに好きになったのは...。




雪は俺のことなんか友達としか思ってないんだろうな。




あー、また雪のことばっか、もうっ!!



俺は自分の頬を何回か叩いた。



「晴輝?」


「あ、美果、なに?」


「雪のこと好きならもっとアピらなきゃ。」



美果は、白い八重歯をだしてニコっと笑った。


「わぁーってるよ。だけどさ」


だけど...


「だけど?」



「なんでもねぇ。サッカーの試合絶対勝っていいとこみせてやるっ!」



だめだ。今は試合のことだけ考える。



「そっか。がんばってね!いつでも晴輝の味方だからさ。なんかあったらちゃんと言ってよ?」



「さんきゅっ」


俺がんばるわ。