私はびっくりして、上を向いた。
すると黒い傘があった。
私は急いで後を振り向くと、そこに健汰がいた。
「健汰…?」
「たまたま、雪を見かけたからさぁ~。そしたら雪、傘さしてないんだもん」
「ありがとうっ」
「ダメじゃん。天気予報みなきゃ。風邪引いちゃうじゃん」
そう言うと、健汰は私の頭にタオルをのっけて、拭いてくれた。
「これからはちゃんとみるね」
「今からどこに行くの?」
「あー、駅前のお店に行こうかなって思って」
「ほんと?俺もだよ!一緒に行こ?」
「いいの?」
「当たり前」
そういい、私の左を廻った。
やっぱり、健汰は優しいな。
駅前に用事なんてないかもしれないよね。
だって、健汰左手にたくさんの紙袋持ってるんだもん。

