雪は誰がみても可愛いと思う。
雪のことを、可愛いとか好きとか言ってるやつはたくさんいる。
俺は小さい頃から雪を見てきたから、よくわかる。
それなのに、よく彼氏ができなかったな。
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打ち上げが終わり、帰宅することになった。
俺と優斗は、月明かりに照らされている夜道を2人で歩いている。
「はーるーきー!よかったな!」
きっと、さっきのことを言ってるんだろう。
「まあな」
俺はあっさりと返した。
「全く、晴輝君は素直じゃないですねぇ~」
「なんだよ」
「ほんとは嬉しいんだろ??」
はぁ、優斗はいつもこうだ。
「そうだよ」
「でも、いつかは他の男のところに行くんだぞ?今日かもしれないよ…」
顔は暗くて見えないけど、真剣な話をしてるってわかる。
声が、変わったから。
「なんだよ急に」
「今日、試合終わったあとに美果が雑貨店で、雪と健汰が一緒にいたのを見たらしいよ」
「は?だから何だよ…」
「でも、美果は会計してたから声かけられなかったんだって」
「わかってるよ、俺だって。さすがの俺でも今日ので焦ったよ。」
そうだよ、そんなの知ってる。
でも、今の関係が崩れるのがこわいんだ。
もし雪と一緒にいられなくなったらって考えちゃうんだよ。
だったらこの関係でもいいかなって。
「ならいい。じゃ~ばいばーいっ」
またふざけた感じに声を変え、手をふりながら俺とわかれた。
神様お願いです。
俺と雪がずっと一緒にいれますように。
毎日願ってきたんだ。

