Cry in fear~初恋はあまくせつない~

二人の顔はすごかった。

あたしにみせたことのない怖い顔だ

った。

目尻は上がっていて眉間には皺が寄

っていた。

まるで、鬼の形相である。

「う……うわぁぁぁぁぁん!!」

あたしは泣いた、喧嘩を止めるた

めに。

止める方法を知らないあたしには、

泣くという選択肢しか浮かばなか

った。