「はあー…。」



まだ火照ったままの顔で溜息をつく。


なんでよりによってあの顔見られんだよ。



マジであんな顔ダサすぎるんだけど…



「なんでだよッ!」



と壁を叩いたところで意味はない。



あいつは、



涼太に抱きしめられたとき、顔赤くしててれてたよな?


じゃあ、なんで…



俺が壁ドンしたって照れないんだよ!



さっきから涼太涼太って、



なんでだよ…俺より涼太の方がいいのか?


そう思いはじめたらもう、抑えることはできなくて、



俺は、


初めてあいつにキスをした。